中の人が語る「年賀状思い出大賞」[前編]

スポット

挨拶状ドットコムの公募企画担当です。
皆さんは、毎年、年賀状印刷サイトに掲載している名物企画「年賀状思い出大賞」をご存知でしょうか? 今回は「年賀状思い出大賞」について、前後編に渡って語っていきます。まずは前編として、立ち上げた経緯や歴史、取り組みといった内容を中心にご紹介させていただきます。後編では最新となる過去の受賞作品について解説しますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。

年賀状思い出大賞とは

年賀状思い出大賞は、全国の方から年賀状にまつわる思い出・エピソードを400字詰め原稿用紙に記載して応募いただき、それを挨拶状ドットコムのスタッフと外部審査員が審査。受賞作品を発表するという趣旨の公募企画です。

年賀状に込められた「人の思いや繋がり」「日本人ならではの優しさ」「人の生き生きとした姿」を多くの方に知っていただき、年賀状の素晴らしさを再認識していただきたい。

そんな目的のもと、第1回目・年賀状思い出大賞は2008年の年末に始まりました。HPで告知の上、全国から年賀状エピソードを送っていただき、審査を経て、翌年に受賞作品の発表。予想以上にお客さまに好評で、14年も続く名物企画へと成長しました。

記念すべき第1回目の大賞作品では、一枚の年賀状が人生を変えた宮本さまの作品が受賞。学生時代の思春期ならではの気持ちが表れていて、ポジティブな未来に繋がっていく意外な展開も、大賞に相応しい内容でした。

きっかけはお客さまアンケートから

そもそも、なぜ「年賀状の思い出」というニッチな企画が始まったのか。
それは、15年以上前に遡ります。

当時、ご注文いただいたお客さま向けにアンケートを実施しており、いくつかある設問の一つに「お客さまの年賀状エピソードを教えてください」というフリー入力項目がありました。書いてくれる人は少ないだろうと高を括っていると、たくさんの方から続々と年賀状エピソードが。
これは嬉しい誤算でした。

そんな中、代表から「こんなに素敵なエピソードが集まるなら、作品を送っていただき審査・発表する公募企画にしてみてはどうか」と提案があり、そこで初めて『年賀状思い出大賞』が誕生したというわけです。年賀状に関わる事業をしているため、年賀状の啓蒙活動といった側面もありますが、当時の経営理念である「絆を深めるサービスで世界を元気にする」に沿った取り組みでもありました。

毎年、人の思いや絆を感じながら、年賀状をはじめとした挨拶状印刷サービスをさせていただいているので、私たちにとっても元気の源となる大切な企画。当然、審査にも熱が入ります!
下の写真は2012年の審査風景。1点1点目を通して作品に点数をつけています。感動のあまり泣きながら審査していた時期もありました。

いきなり書籍化が決定?

年賀状思い出大賞も3年目に入り、手応えを感じていた頃、挨拶状ドットコムProfessionalでの文例監修や、「年賀状思い出大賞」の審査委員を務めていただいている手紙文化研究家の中川 越先生からお声がかかりました。

「応募作品はそれぞれに尊く輝いていて、そのすべてが大賞です。素晴らしいこのエピソードを多くの方に知っていただくため、書籍にして広めていきませんか?」

そこからとんとん拍子に話が進み、書籍化プロジェクトがスタートしました。

早速チームが立ち上がります。

中川先生が構成と解説原稿を担当し、社内メンバーで応募者への掲載許諾、デザイン制作を進めていきました。自費出版という形ではあるものの、本など作ったことがなかったので、毎日仕事帰りに本屋に寄っては構成や文章のレイアウト、奥付の記載ルールを参考にしていました(懐かしい!)。

そんなこんなで、第1〜2回の全応募作品から選りすぐられた65点のエピソードが1冊の本になり、「年賀状のちから」と名付けられました。そして、プロジェクトはここで終わり・・・のはずでしたが、ここまで精魂込めて作ったのだから、実際に流通させて全国の本屋に並ぶようにしよう!ということになりました。

ここから、さぁ大変!

流通の仕組みを調べ、お付き合いのあった出版社さんへ出版のお願いをし、ISBNコードを取得し、出版に向けて再編集、文字校正、デザイン調整するという忙しい日々の連続。最終的にはチーム全員と応募いただいた方の想いがギュッと詰まった満足のいく本に仕上がりました。渋谷のジュンク堂書店で「年賀状のちから」を見つけた時、涙が出るくらい嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。

その後は、取引先の方や日本郵便の方が気に入って購入してくださったり、郵便局長さんが主催する朗読会やイベントで紹介してくださったりと、反響も大きなものでした。

リアルイベントやメディアにも登場!

第5回からは、日本郵便株式会社さまに後援していただけることになり、年賀状思い出大賞を知っていただくためのリアルイベントが活発化。

まずは、東京駅前にある東京中央郵便局内で授賞式を開催。歴代の受賞者の方々にお越しいただき、代表が感謝を込めて表彰状をお渡ししました。また、女優の倉科カナさんがゲストとして登場。年賀状にまつわるエピソードを語っていただき、TVを含めた各メディアでも放送されました。

2013年、東京中央郵便局と直結した商業施設「KITTE」でも展示イベントを開催。今でも大切に保存されている「旧東京中央郵便局長室」をお借りし、2年連続で年末に受賞作品を展示しました。東京駅が一望できる歴史あるモダンな空間と、思い出作品の相性は抜群で、年賀状思い出大賞を多くの方に知っていただく機会になりました。今でも思い出深い場所のひとつです。

驚いたのは、第6回の「日本郵便賞」が日本郵便さまの年賀状特設サイト「郵便年賀.jp」の企画に取り上げられたこと。2014年の年末に、この「日本郵便賞」がショートムービーとして公開され、なんと、パラパラ漫画で有名な鉄拳さんがアニメーションを担当。音楽は吉田山田さんがオリジナル曲を書き下ろしてくれました。なんて豪華な布陣でしょう!コツコツ頑張っていればこんなすごいことも起こるんだなと感極まった瞬間でした。

ありがたいことに、TV番組で作品を再現ドラマ化していただいたり、新聞や雑誌で特集を組んでいただいたりと、少しずつその広がりを実感しています。

いかがだったでしょうか。年賀状思い出大賞は挨拶状ドットコムが大切に育ててきたコンテンツなので、少しでも興味を抱いていただけたなら嬉しいです。

過去の受賞作品はこちらの特設サイトからご覧いただけますので、ぜひ作品に込められた思いに触れてみてください。じんわりと温かい気持ちになりますよ♪ 後編ではその受賞作品を取り上げて解説しますので、次回のコラムもぜひお付き合いください。

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